自然と風景に癒されて・歴史きらめく舞鶴旅

旅とトレイル

自然と風景に癒されて・歴史きらめく舞鶴旅

彩り豊かな絵画の中へ。山奥でノスタルジックな映画の中へ。
海を眺めて動物とほっこり。美味しいタイ料理と温かい空間にお腹と心を満たす。
そんな体験ができるのが京都北部に位置する舞鶴です。

舞鶴は、軍港としての歴史も長く、現在も港には護衛艦など大小さまざまな船が出入りしています。
車では大阪、京都から高速で約1時間半。電車では、京都駅から東舞鶴駅まで特急で約2時間、大阪駅からでも約2時間半と日帰り旅も可能です。
「心と体をリフレッシュできる旅がしたい」。
そんな場所を求めて秋の舞鶴を訪れました。

紅葉に包まれる金剛院

紅葉に包まれる金剛院
鹿原公園から見る三重塔

秋の日帰り舞鶴旅。まずは紅葉の名所「金剛院」を訪れました。
金剛院は、市街地から車で15分ほどの距離にある寺院で、平安時代初頭に高岳親王によって開かれました。三重塔は国の重要文化財に指定されており、宝物殿に安置されている深沙大将立像(じんじゃだいしょうりつぞう)は鎌倉時代を代表する仏師快慶の作品として有名です。

「丹後のもみじ寺」とも呼ばれる金剛院は紅葉の名所としても名高く、小道の側を流れる小川に落ち葉がひらひらと舞う様子は、まるで日本画の中にいるよう。
黄色や朱色に色づいた木々に囲まれた三重塔の美しさに思わず息を飲みました。
三重塔の裏手から続く長い石積みの階段を登ると本堂が見えてきます。本堂までの山腹の楓は細川幽斎が植樹したと伝えられており、その景観を先人達から脈々と受け継いできた歴史の長さに心を動かされました。

下から見る三重塔

金剛院で紅葉を楽しんだあとは隣接する鹿原公園へ。
この公園では色あざやかな紅葉の中にたたずむ三重塔の全景が望めます。ベンチもあり、のんびり休憩しながら存分に景色を楽しめました。

【金剛院】
営業時間: 9:00~16:00
所在地:京都府舞鶴市鹿原595
電話:0773-62-1180
料金:入山料:300円、宝物殿拝観:500円 (要予約)

映画の中へ。葦谷砲台跡

映画の中へ。葦谷砲台跡
ノスタルジックな景観が残る葦谷砲台跡

次に向かったのは、金剛院から車で20分ほどの葦谷砲台跡(あしだにほうだいあと)。
明治期に隣国との大戦を意識し建造されたもので、地下弾薬庫も残っています。

目の前の弾薬庫にタイムスリップしたような気になります

弾薬庫の中は、ひんやりと肌寒さを感じました。
保存状態もよく、明治や大正を舞台にした映画の中に入ってしまったのかと思うほど。

弾薬庫に刻まれた歴史を肌身に感じながら、この要塞を守っていた人々に思いを馳せました。これも歴史遺構を訪ねる醍醐味ですね。

日本海を一望。先に見えるのは冠島

階段を上がると、日本海が目前に広がり、その先には冠島が。
日々の生活音が全くなく、自分だけがこの世界にいるような不思議な感覚。
開放感あふれる大地に、山からの涼しい風が吹き、日々の疲れも一緒に流し去ってくれました。

ふるるファームで動物と触れ合う

ふるるファームで動物と触れ合う
ふるるファームから望む日本海

歴史遺構を堪能したあとは、葦谷砲台跡から車で約5分の距離にあるふるるファームへ。
ふるるファームは、子ども連れはもちろんのこと、大人だけでも楽しめる自然あふれる施設です。

施設内には地元の新鮮な野菜や海産物、加工品などを扱う販売所や、手作りのスイーツを販売する工房があります。
バターの食欲をくすぐる香りが漂う工房では、可愛らしいクッキー、ジェラートも販売されていて、お店の前の椅子に座って食べることも可能です。

施設内の各所ではウサギやポニーと触れ合える場所が点在し、特にポニーの乗馬は大人気!
訪れた際には5人の小学生たちがワクワクしながら待っていました。

ポニーに餌やり。近くにいた子どもが餌を分けてくれました

案内所で販売されている餌で、動物に餌やりも可能です。
1歳の息子は初めてウサギにニンジンを食べさせることができて嬉しそう。次は人気のポニーに挑戦しましたが、息子にとっては大きすぎたのか怖がってしまいました。
少し距離を置いてぺこりとご挨拶。

日本海を眺めながら動物と触れ合い、息子も新しい体験をして、家族での大切な時間がまた増えました。

【舞鶴ふるるファーム】
定休日:火・第3木曜日
所在地:舞鶴市字瀬崎60番地
電話:0773-68-0233
HP:https://www.fururufarm.com/

舞鶴ふるるファーム

自然農の体に優しい食材を使うタイ料理店「フォンディン」へ

自然農の体に優しい食材を使うタイ料理店「フォンディン」へ
タイ料理店「フォンディン」を営む渡邉さんご夫妻

ふるるファームでたっぷりと遊んでお腹を空かせた私たち。次は、車で5分ほどのタイ料理店「フォンディン」へ。
駐車場に車を停めて海を眺めながら坂道を下ると、海辺の小さな集落の中にお店を発見。
古民家を改装した店内に入ると、タイ料理独特の香辛料とハーブの香り。そして店を営む渡邉直樹さん、恭子さん夫婦が温かい笑顔で迎えてくれます。

タイ料理「パッタイ」。サイドメニューもとってもおいしい!

今回、私はタイの麺料理「パッタイ」をいただきました。

「おいしい!」

口に運ぶと甘酸っぱいエスニックな美味しさが広がり、もちっとした平麺にニラや卵が絡み、どこか優しい味わいです。
野菜は農薬や肥料を使わない自然農で自家栽培し、お肉も自ら買い付けに行くなど、食材にこだわる渡邉さん夫婦。自然に寄り添った暮らしから、素材を大切に味付けをする2人ならではの料理が楽しめます。

旅とカメラが趣味の直樹さんは、世界中を旅し、タイには3年ほど滞在。その際にタイ料理の魅力に惚れ込んだといいます。現地でタイ料理について学び、帰国後に本格的に修行を積んだそう。
そんな直樹さんの料理は、親しみやすく優しい味でした。

撮影:渡邉直樹さん 渡邉さんがお気に入りの景色を撮ってくれました

帰り際に、お店から海までの小道で「ここが私の好きな場所です」と、直樹さんが写真を撮ってくれました。

「毎日見る景色でもいつも違うんです」

その写真からは、2人の物語があふれて伝わってくるようでした。
さまざまな地を旅し、出会いを大切にされてきた直樹さんと恭子さんの創り出す温かく包み込んでくれるような雰囲気。そして、大切に育てた食材で作られたお料理、目の前に広がる海。
全てが優しく心地よい空間を満喫できました。

【フォンディン】
営業日:金土もしくは土日
所在地:舞鶴市瀬崎458
電話:0773-60-2063
HP:http://fondin.jugem.jp/

フォンディン

魅力再発見と癒やしの旅

魅力再発見と癒やしの旅

寺院で紅葉を眺め、砲台跡で遠い過去に思いを馳せ、動物と触れ合い心癒された旅でした。
そしてフォンディンでの美味しいタイ料理と渡邉さんご夫婦のおもてなしにお腹も心も満たされました。
海鮮や国防地としてのイメージの強い舞鶴ですが、他にもたくさんの魅力があることを再発見できました。

Share

カテゴリ一覧に戻る