友人の運転で、まずは天橋立の北側にある元伊勢籠神社（もといせこのじんじゃ）（以下、籠神社）へ。
籠神社は、かつて天照大神（あまてらすおおみかみ）と豊受大神（とようけのおおかみ）が祀られていたという丹後で最も格の高い大社です。その後、両大神が伊勢神宮に移されたという経緯から、「伊勢神宮のふるさと」「元伊勢」とも称されています。

今回のお目当ては、幻の御守「産霊守（むすひまもり）」。毎月、新月と満月の日に籠神社と奥宮・眞名井神社を参拝する「むすひ詣り」のときにだけ授与される、特別な御守です。万物を発展させる“むすひ”のご利益があると聞き、「むすひ詣り」の日を選んで初参拝。

新月だったこの日は、黒地に「日」と書かれた御守を授与されました。

ちなみに、満月の日の御守は白地に「月」と書かれており、2つを合わせると「日」「月」が一対となって、「明」日が開けるという素敵な組み合わせになっています。

願わくば、次は満月の日に、縁が結ばれた相手と来れますように。

【元伊勢籠神社】
住所：京都府宮津市字大垣 430
電話：0772-27-0006
入場料：無料
WEB：http://www.motoise.jp/

続いて、もう一つの参拝スポット、奥宮の眞名井神社へ。籠神社から10分ほど歩いた静かな竹林の奥にあります。

実は、縄文時代からの歴史を持つ眞名井神社は、「日本最古のパワースポット」として話題の場所。

特に、「天の眞名井の水（あめのまないのみず）」と呼ばれる湧き水は、縁結びにも効果が高いといわれ、芸能人や著名人も汲みに来たそうです。まさにスピリチュアルの聖地巡礼！

竹林の奥、岩の間から静かに流れるご霊水は、見ているだけで清らかな気持ちになります。

岩の湧き水とは別に、持ち帰り用の水汲み場も用意されています。観光客だけでなく、近所の方も普段の飲み水として汲みに来ていました。

日本最古の聖域から湧き出るご神水。私たちも、持参したペットボトルにいただきます。

良縁を表す「結び」はむすひの神の「むすひ」が語源となっていると知り、友人と2人、心を込めて祈りました。

仕事も人の縁も、今日の私たちの友情も、末永く結びがありますように。

【奥宮 眞名井神社】
住所：京都府宮津市中野905
電話：0772-27-0006（籠神社社務所）
入場料：無料
WEB：https://www.motoise.jp/about/okunomiya/

籠神社の西側、昔ながらのお土産街を通った先に、天橋立笠松公園行きのケーブル乗り場（府中駅）があります。急斜面をケーブルカーが勢いよく昇っていく様子を見ていると、子どものようにわくわくしてきました。

ケーブルカーに乗ってしまいたい気持ちを抑えて、車で3分ほどの距離にある天橋立ワイナリーへ移動します。

この日のランチは、天橋立ワイナリー2階にある「ぶどう畑のレストラン」を選びました。

天橋立の老舗旅館がつくったレストランで、地元の旬の食材を使った料理をビュッフェスタイルで提供しています。ウッドデッキのテラス席もあり、観光客だけでなく地元の人からも愛されるお店のようです。

特に、天橋立ワイナリーのワインを使った鶏のトマト煮は、ほろりと口の中でほどけるやわらかさ。地元産のナスを使ったナス田楽や夏野菜のオムレツは一口サイズで食べやすく、少しずついろんなメニューが楽しめるのも好ポイントです。

レストランは天井が高く、ゆったりと過ごせる空間。テーブル席からはぶどう畑と海に浮かぶ天橋立を一望できます。

美味しいランチを食べながら、2人で仕事や恋活の話で盛り上がりました。

【天橋立ワイナリー　ぶどう畑のレストラン】
住所：京都府宮津市国分123
電話：0772-27-2222
料金：ビュッフェランチ大人1,700円、小学生850円
WEB：https://www.amanohashidate.org/wein/welcome/vineyardrestaurant/

ランチでお腹が幸せになった後は、ワイナリー1階のショップへ。ワイン樽がディスプレイされた店内では、ワインの試飲も楽しめます。

自社のワインや地元産のおつまみが樽の上におしゃれに並んでいて、どれも素敵！何を買おうか真剣に悩みます。

ショップの地下には小さなワインセラーがあり、そこからさらに外のぶどう畑へとつながっていました。腹ごなしに少し歩いてからショップに戻り、女子2人の心は再びグルメへ……。

ドライバーの友人は白ワインソフトクリーム（ノンアルコール）を注文し、私はワインの飲み比べ。この日は6種類のワインが試飲できました。

白ワインソフトクリームと発酵途中の赤ワイン「フェーダーロータ」は、このワイナリー限定とのことで当然こちらをセレクト。プチプチと舌の上で弾ける感覚とぶどうの芳醇な香りと甘さは、高級ジュースを飲んでいる気分です。

そして、友人のソフトクリームを一口拝借。ワイン用の白ぶどうを厳選して作られているだけあって、とってもフルーティ！

試飲用に案内されたバーカウンターは大人の隠れ家のような雰囲気で、昼間からワイン（＋白ワインソフトクリーム）という贅沢な時間を過ごしました。

【天橋立ワイナリー】
住所：京都府宮津市国分123
電話：0772-27-2222
WEB：https://www.amanohashidate.org/wein/

この日最後の目的地は、ワイナリーから車で10分ほど走った先にある成相山（なりあいさん）パノラマ展望所。

山の中腹に西国三十三所霊場の第二十八番札所として有名な成相寺があり、展望所はさらにその上の標高500m地点にあります。

展望所への一本道は急勾配で、気を使いながらの運転です。登るにつれて徐々に空が近くなり、一本道が天空につながる回廊のようにも感じました。

成相寺から5分ほど運転し、展望所に到着。日本一のパノラマ展望所といわれるだけあって、その絶景に圧倒されます。

眼下に広がるのは海を一文字に縦断する天橋立。海と空との境界はなく、無限に広がる青の深さと白い雲のコントラストにただただ見惚れてしまいました。

そして、成相寺パノラマ展望所の見どころは天橋立だけではありません。素焼きのお皿を崖に投げる「かわらけ投げ」は、没入すること間違いなし。展望所の一角に無人の販売所があり、3枚200円で売っていました。

投げるだけで厄除けになるといわれるかわらけ投げですが、この場所には投げたお皿が輪に入れば願いが叶うという「福輪」がありました。

願いは山ほどある大人女子2人、やるしかない！

「入りそうで入らない～！」

気づけば夢中で投げるだけの遊びになって終わりました。あれ？願い事は？まあいいか！

【成相山パノラマ展望所】
住所：京都府宮津市成相寺
電話：0772-27-0018
入山料：大人500円、中高校生200円、小学生以下無料
WEB：https://www.nariaiji.jp/cafe/index.php

日本三景・天橋立は、ただの観光だけでなく、あらゆる角度から神話に触れることができる場所です。

湧き出る眞名井の名水の清らかさ、成相山の展望所から見える空と海の神々しさ。そして、大切な友人との美味しくて楽しい思い出。日常のモヤモヤもリセットされ、「明日から心機一転頑張ろう」という気分になりました。

歴史と神話が織りなす奇跡を、この地で感じ取ってみませんか？

今回は籠神社と眞名井神社の「むすひ詣り」でしたが、籠神社・眞名井神社・天橋立神社の参拝は「天橋立三社参り」と呼ばれ、恋愛成就にさらなるご利益があるとのこと。これは次の女子旅で行かなければ！