e-BIKEで伝統文化を巡る旅~与謝野町で丹後ちりめん体験~

旅とトレイル

e-BIKEで伝統文化を巡る旅~与謝野町で丹後ちりめん体験~

「e-BIKEに乗ってみたい!」という子どもたちの希望で、週末の日帰り旅行先に選んだのが天橋立のすぐ南にある町、与謝野町。

ふるさと納税の返礼でもらった「海の京都コイン」を使って、e-BIKEレンタルだけでなく伝統文化体験ができるという点も、与謝野町を旅先に選んだきっかけでした。

「丹後ちりめんの着物体験プランもあるんだって。せっかくだし着てみたら?」という夫の勧めに乗って、大人の楽しみもちゃっかりプラス。子どもたち以上にワクワクしながらその日を迎えました。

子どもだけでなく、私自身も主役になれた家族旅行。e-BIKEライドで丹後ちりめんの歴史文化を巡る旅を紹介します。

与謝野駅からe-BIKEライドスタート!

与謝野駅からe-BIKEライドスタート!
e-BIKEは与謝野町観光協会にて事前予約制

まずは、京都丹後鉄道宮豊線(宮津線)に乗って与謝野駅へ。駅前でe-BIKEをレンタルしました。

スポーツタイプのe-BIKEは、走りだしの力強さが通常の自転車とは大違い。少しペダルを踏み込んだだけでぐんぐんと前に進み、坂道も疲れません。
これには子どもたちも「すごーい!速い~!」と大喜び!
電動アシスト付き自転車は、子どもにとってはバイクに乗るようなものなのかも?

線路の絵が塗装された自転車道

この加悦(かや)鉄道跡自転車道と呼ばれる約12kmのサイクリングロードは、昔の加悦鉄道の線路が姿を変えたものです。
加悦鉄道は、大正時代~昭和60年代まで特産品の丹後ちりめんの輸送や地域住民の足として活躍しました。廃線となった現在は、観光客のサイクリングロード兼地元民の散歩・ジョギングコースとして愛されています。

のどかな田園風景のなか、e-BIKEで疾走する爽快感。緑の匂いと風を心地よく感じました。
途中にはトイレ併設の休憩施設も数カ所用意されていて、運動不足の大人には助かります。

途中には大正時代に建てられた旧加悦駅舎もあり、かつての鉄道路線の面影を感じました。駅舎の隣で展示中の「加悦鉄道2号機関車」は、今年(2023年)生誕150年を迎えた国の重要文化財とのことです。

欧風ダイニングで与謝野の海と畑の恵みに舌つづみ

欧風ダイニングで与謝野の海と畑の恵みに舌つづみ
華やかな前菜は地元の食材やシェフが育てた新鮮野菜を使用

自転車道から少し寄り道して、お昼は欧風ダイニング「クッチーニ」へ。コーススタイルのちょっと贅沢なランチが食べられるお店で、海の京都コインも使えました。

注文したのは本日ランチ(2,000円)。メイン料理は、八鹿豚ベーコンチーズハンバーグ、宮津産サワラのポワレからのセレクトです。

最初の前菜から、盛り付けの美しさに感動しました。自家農園の採れたて野菜や地元の素材が絶妙なバランスで重なり、まるで芸術作品のよう!
どこから食べたらいいか迷うほどです。

続いて、ポタージュスープは野菜のうまみをしっかりと引き出した上品なお味。
メインの料理もこだわりの食材を使った芸術的な盛り付けで、ジューシーなハンバーグに大満足。目もおなかも存分に満たされました。

【欧風ダイニング クッチーニ】
住所:京都府与謝郡与謝野町下山田82
電話:0772-42-0912
WEB:http://www.manekineko-k.com/shops/gourmet/cucini0912/

欧風ダイニング クッチーニ

「ちりめん街道」~江戸・明治・大正・昭和の町並みが残る場所

「ちりめん街道」~江戸・明治・大正・昭和の町並みが残る場所
江戸・明治・大正・昭和のそれぞれの時代の建築物が今も残る

食後はのんびりと20分ほどサイクリングを楽しんだあと、加悦鉄道跡自転車道を抜けてちりめん街道に入りました。

ちりめん街道とは、与謝野町加悦地区にある旧街道で、江戸時代から昭和初期にかけて、高級絹織物の丹後ちりめんの生産で栄えた地域として有名です。

町家や機織り工場、旅館、酒蔵、銀行などの古きよき町並みが残されており、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、「ちりめん街道」の愛称で親しまれています。

国の重要文化財への指定が決まった旧尾藤家住宅

ちりめん街道には文久3年に建築された丹後ちりめん商家・旧尾藤家住宅や、明治から続く料理旅館井筒屋など、昔のままの建物が残っています。

なかでも旧尾藤家住宅は、当時の大型農家を基本として、商家建築と蔵、昭和初期の洋風建築が融合した貴重な建物です。現在は京都府有形文化財に指定され、ちりめん街道を代表する建築物として一般公開されています。さらに、11月には国の重要文化財にも指定されることが発表されたそうです!

書院造りの座敷や内蔵(うちぐら)、2階に増設された洋館など、社会科の教科書でしか知らない歴史ロマンを見て体験し、子どもたちなりに学びを感じていました。

現代に残る震災復興のシンボル「旧加悦町役場庁舎」

現代に残る震災復興のシンボル「旧加悦町役場庁舎」
ちりめん街道北側入り口にある旧加悦町役場庁舎

ちりめん街道の古い町並みを抜けた先にあるのが、本日の目的地のひとつ、旧加悦町役場庁舎(旧加悦町役場)です。

昭和初期の趣が残る洋風建築で、丹後大震災で倒壊した庁舎に代わる復興のシンボルとして震災2年後の昭和4年に建てられました。現在は観光案内やさまざまな体験アクティビティができる観光拠点「与謝野町観光協会」として活用されています。

そして、ここに来た一番の目的は本格着物体験!
シルク100%の高級絹織物「丹後ちりめん」の着物を着て、周辺を観光できるプランです。小物や着付けまでセットで、身ひとつで行けるのがありがたいですね。
着付け体験は、4時間以内の短時間プランと、丸一日(6~8時間)散策と観光ができるプランがあります。

事前に予約しておいた着物は、「丹後ブルー」と呼ばれるぼかし染めの特別仕立てです。
なかなか着る機会のない和装は、ひそかなあこがれ。丹後の空と海のような、澄んだ水色から深い青へのグラデーションがとても印象的で、予約サイトの着物ラインアップで一目惚れしました。

20分ほどで着付けが完了し、待っていた家族からは「おおー!」と驚きの声。子どもたちが、自分も着たいとうらやましがっていました。

【旧加悦町役場庁舎(与謝野町観光協会)】
住所:京都府与謝郡与謝野町加悦1060
電話:0772-43-0155
WEB:https://yosano-kankou.net/kankou/kyukayachoyakuba/

【丹後ちりめん本格着物体験】
WEB:https://yosano-kankou.net/kimono/

与謝野町観光協会HP「与謝野日々是」

あこがれの着物姿でちりめん街道を散策

あこがれの着物姿でちりめん街道を散策
当時の趣を残す町並みのなか、記念撮影も楽しめる

着物を着付けてもらい、いざ与謝野の町へ!
先ほどe-BIKEで駆け抜けたちりめん街道を、着物姿でおしとやかに散策します。

丹後ちりめんの着物姿で歩いてみると、思っていたより軽いと感じました。肌ざわりもしなやかで、静電気で裾さばきが悪くなることもありません。

丹後ちりめんの最大の特徴は、「シボ」と呼ばれる生地の表面にできる細かな凹凸(おうとつ)。しなやかでシワになりにくいだけでなく、光の乱反射によって、より色に深みが増して見えるそうです。

町家が立ち並ぶ旧街道を着物姿で歩いていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう。

当時は、丹後ちりめんの着物を着た女性たちがこの道を歩いたんだろうなと思いながら、ちりめん商家の奥様になった気分で、あちこちで写真を撮って楽しみました。

ちりめん街道で育まれたシルクアートに挑戦

ちりめん街道で育まれたシルクアートに挑戦
少しずつ織り上げて自分だけの思い出のコースターに

ちりめん街道散策のあとは、旧加悦町役場に戻って織物体験をしました。

好きな色のシルクの糸を選び、手織り機でコースターを織り上げます。50分ほどでオリジナルの手織りコースターが完成しました。

子どもたちは、シルク100%の糸を使った組みひものミサンガづくりにもチャレンジ。丸台と呼ばれる台を使い、糸束4本を順に動かして組み上げていきます。

「これって、わた婚(わたしの幸せな結婚)の映画のなかで今田美桜がやってたやつだよね~」

完成した組みひもは、なかなかの仕上がりで満足そう。

糸には、色ごとに勇気・勝負・恋愛などの意味が託されているらしく、最初の色選びにもかなり時間をかけて楽しんでいました。

旅の終わりはビアパブのクラフトビールで乾杯!

旅の終わりはビアパブのクラフトビールで乾杯!
クラフトビールとおいしい料理で大人も子どもも満足

与謝野駅でe-BIKEを返却し、旅の最後は駅からすぐそばにあるTANGOYA BREWERY & PUBLIC HOUSE(タンゴヤブリュワリー&パブリックハウス)へ。
ビール醸造所併設のビールバーですが、フードメニューも充実しているお店です。

地域の人や観光客が交流する話題のお店とのことで、20〜30代の若者から子連れ客までたくさんのお客さんが楽しんでいました。

子どもたちはクラフトコーラ、夫と私は与謝野町産のホップを使用したペールエール「ASOBI」を注文。口当たりのよいフルーティな味わいで、ビールがあまり得意ではない私でもスルッと飲めました。
名物の一口ピザや懐かしい味わいのタンドリーチキンは、親子で奪い合うおいしさです。

帰る前に、ASOBIビールのセットをお土産に購入しました。支払いはもちろん海の京都コインです。
e-BIKEで遊んでおなかいっぱい食べた子どもたちは、帰りの電車でぐっすりでした。

【TANGOYA BREWERY & PUBLIC HOUSE】
住所:京都府与謝郡与謝野町下山田1342−1
電話:0772-47-9710
WEB:https://www.instagram.com/tangoyabrewpub/

TANGOYA BREWERY & PUBLIC HOUSE

海の京都コインを使ってさまざまな体験を満喫。

電車とe-BIKEの家族日帰り旅。海の京都コインを使って、アクティビティだけでなく伝統文化体験もできる充実した一日を過ごせました。

与謝野町は、e-BIKEのようなアクティブなものから、丹後ちりめんの各種体験、かつての隆盛を物語るちりめん街道の町並み散策など、大人から子どもまで楽しめるアクティビティがそろっているエリアです。

週末の家族旅行に、ぜひ遊びに行ってみてください。思い出が凝縮した素敵な一日になるはずです。

海の京都コインとは?

海の京都コインとは?

海の京都コインは、ふるさと納税の返礼品として、寄附額に応じて発行される電子ギフトです。海の京都エリア(福知山市・舞鶴市・綾部市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町)の加盟店なら、どこでも「お支払いに」ご利用可能です。

「海の京都コイン」詳しくはこちら

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